2020年10月1日木曜日

試作のはなし

 試作のはなし。

 私たちの業界では製作に関して、試作、量産という区分があります。試作ですと1~2個、量産ですと小ロット、中ロットなどがあります。(そういえば大ロットって聞いたことがないような。)弊社のような小さな工場ですと主に試作、小ロットくらいまでの対応しかできません。

 試作というと皆さん、どんなイメージをお持ちでしょうか?僕のイメージはプラスチックの試作のイメージが強いです。試作には一般的にはデザインモデル、ワーキングモデルなどがありますが、デザインモデル(主に形状確認のモデル)の場合、ABSなどを削りだして製作するものが多く、3DCAD/CAMの普及がしたころは、数多くこうした加工をする業者さんがいらっしゃった気がします。弊社が3DCAD/CAMを導入した20年ほど前に、色々と指導頂いた方も主にABSを加工する業者さんでした。その頃は、ちょうどブラウン管のテレビから、液晶テレビに変わっていく時期で、その業者さんは液晶テレビの外観を製作されていました。その仕事を拝見し、ワクワクしていたのをよく覚えております。このデザインモデルも切削から3Dプリンターに変わり、大分、業者さんが減ったようです。3DCAD/CAMを教わった方もそれに伴い、廃業されました。非常にいい腕をお持ちでしたので、残念でした。

 さて、アルミプラスでの話をさせていただきますと、加工の個数は1部品あたり1個での注文が多いです。この点からいいますと試作的な色が強いと思います。よく、オーダーメイドの加工品を量産の価格と比べてしまうお客様がいらっしゃいますが、一般的に流通しているパーツは製作している桁が全く違い、1個製作する場合の手間は異なります。よく、「削り出しで製作した○○」などというものがありますが、価格をみると材料代で終わったしまうというものもあったりします。材料を大量に入荷することで価格を下げているわけで、これと比べれてしまうと、たまったものではありません。また、1個といっても、作りながら改良したりしますので、最低でも2個くらいは製作をしていますので、材料代だけでも違うんですよね。加工の時間もそれなりにかかります。こうしたことを少しでもわかって頂きたいのですが、なかなか伝えられず、何か良い方法はないか日頃考えております。

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