2018年11月8日木曜日

追加工はなかなかです。

 お問い合わせを頂く中で、多いものが既存のものに対して穴を広げて欲しい、穴を増やしてほしい、端っこを削って欲しいなどいわゆる追加工というものが、多いです。この追加工、言葉では簡単なのですが、実際にやると結構難しいんです。削り出しは除去加工と呼ばれていますが、これはある塊から実際の形状に何度かの段取りを踏んでする引き算の加工方法なんです。複雑な形状などですとこの引き算の方法を間違えると正規の形状にならなくなります。ですので、図面をみてある程度、加工の順番を考えて行っています。ですので、追加工となるとこの順番が覆ることも出てくるんです。


 追加工で、困るのは加工の固定、位置だし、傷、不良です。
 加工をする際は必ず何かしらの固定を行います。弊社の場合は、平行バイスによる固定です。平行な板で加工物を挟む方法でいわゆる万力のようなものです。ですので、平行面がないような異形状のものですと固定が難しくなります。(厳密には工夫をしてできる場合もありますが。)
 位置だしは、加工をする際に加工物の原点を探します。昨今はコンピュータ制御で加工を行いますので、まず、原点をとり目的の座標位置のプログラムにしたがって加工を進めていきます。追加工品の多くはその原点が取れないものが多いんです。ほとんどの既製品は大量生産で製作されているので、決められた公差内に収まっていれば、良いとされているものです。その公差にも何種類かあり、板金と切削(削りだし)では全く違ったりします。ですので、普段、厳しめの公差になれているものとしては気持ち悪くてしょうがないことがしばしばです。恐らく、ユーザーさんには分からないかもしれませんが。
 傷も悩みの種です。もともとアルミはちょっとしたことでも傷がつきやすい材料で、アルミ加工は傷との戦いでもあります。なるべく傷をつけないような加工順序で進めていきます。でも、加工固定跡などは少なからず残ってしまいます。また、ひょんなことから傷がつく場合もあります。既製品の場合は仕上げや修正が難しい場合が多いのです。また、アルマイトの処理がされたものも同様で、これに加えて表面が固いので、工具がすぐにダメになってしまいます。
 最後に不良です。出したくはありませんが、正直、失敗することもあります。通常品はもう一度作り直せばよいのですが、追加工はそうはいきません。そう一品しかないんです。かなり、プレッシャーを受けながら加工を行います。今まで、こうした不良はありませんが、でもそのあとすごく疲れます。割にあいません。
 よく、適当でいいんで、4~5mm端っこ削ってください。とみたいな感じでおっしゃる方がいるのですが、こういうことがあるんで、そんな簡単なことではないんですよと少しは分かって頂きたいであります。はい。

 個人向けアルミ加工のオーダー アルミプラス

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